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最高裁判所第一小法廷 昭和28年(あ)1940号 決定 1953年10月15日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人平田奈良太郎、同小島勇平の上告趣意第一点は、違憲をいうも、憲法三七条二項は、裁判所に被告人側の申請した証人を不必要と思われる者まで尽く喚問しなければならない義務を認めたものでないことは、当裁判所屡次の判例である。されば所論は、結局単なる訴訟法違反の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、同第二点は再審の請求をすることができる場合にあたる事由があることを主張するものであり、(そして、刑訴四三五条六号にいわゆる「原判決において認めた罪より軽い罪」とは、原判決が認めた犯罪よりその法定刑の軽い他の犯罪をいうものであること当裁判所大法廷の判例とするところであるから、(判例集四巻四号六六六頁以下参照)、所論は再審事由に当らない。)、同第三点は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であり、同第四点は、量刑の非難で、いずれも、刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に当らない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

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